比企点描 >
島田橋
東松山市の東北、坂戸市との境界で越生から流下する越辺川が、坂戸市島田で島田橋を流れ過ぎる。 秋は水量も減って河床が目立つ。 ここでは、時が濃密に過ぎていくようだ。時はなぜか圧縮され、 遙か昔と同居しているようなそんな特別な感覚が忍び寄ってくる。 ひょっとしたらそういう場所の一つ、時がその力を振りまく 場所なのかもしれない。 ここは、時代劇のロケ地で有名だ。 周囲には、高圧送電線が横切り、とても時代劇の舞台にはふさわしくない。 にもかかわらず、橋は、時を越えてそういう劇にふさわしいように見える。 橋は時に溶け込んでいる。 今朝も犬が鎖に引かれてゆく。 川水はゆったりと流れてゆくけれど、それを渡す島田橋は朽ちていない。 また明日もこの橋を渡るだろうか。 |
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この橋は、越辺川の島田橋から下流2K早俣にある見捨てられた木橋、「赤尾落合橋」である。この先に今は消失している「長楽落合橋」があった。この向こうの都幾川に架かっているはずであった。 |
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