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2018.4/13更新

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日本機械遺産見学会

 掲載2017.7/10
 見学会窓口:高坂丘陵ねっとで参加呼びかけをして7月9日に鞍掛橋付近活動団体(市民プロジェクト)の7人でNPO法人発動機遺産保存研究会の保存施設を訪問した。
 いろいろ調べて行くと、鞍掛橋の600メートル北側にすごい日本機械遺産があるとのこと。事前予約で日程調整し、やっと念願叶って動かして見せてもらえることとなった。
 2016年日本機械学会認定の「二段膨張式船舶用蒸気エンジン
蒸気エンジンは明治44年製(1911年)今年で106年。昨年8月に日本機械学会から認定を受けた大阪で製造された日本製。
 小型木造蒸気船たちばな丸(22トン)のエンジンとして使われていた。出力97馬力の二段膨張式蒸気エンジンということで、ボイラーはここには無い。2004年にレストアされその後モーター駆動で動く様子が見られるようになったとのこと。
 このエンジンは通算53年間稼働したということで、またしっかりメンテナンスされて使われてきた歴史あるものだ。数奇な運命を辿り、この鞍掛橋近くの上唐子に現在はある。
 二段膨張というメカニズムは一度シリンダー内で膨張した蒸気を次のシリンダーに入れて膨張させるというもの。ひとつの出力軸を動かすのでストロークは変えられないが、2つ目のボアを変えて同じ出力が出るようにしている。上右表にあるように第2シリンダーボアは+41ミリ大きい。その後、左側の緑色の大きなタンクの復水器に導かれ水となってまたボイラーに戻るというサイクルだ。復水器は海水で冷やしているので、そのポンプをメインエンジンからアームのリンク機構で導き動かしている。
 そんなに大きくない船だったのでこんな高い位置にあるシリンダー部の重さは船の重心を上げ不安定にしていたのではないかとの話があった。エンジンのメカニズムは船用ではあるが、蒸気機関ということもあり、操作部分の基本的なところは同類の蒸気機関車的機構が垣間見える。大きな逆転レバーは手動でバルブを切り替えるのだが理屈どおりに目の当たりに動く機構なので理解は容易い。どれだけ力がいるのかは不明だが、クランクの間にあり、操作には細心の注意と体力いる作業だったろうと思われる。
 出力部分はメタルコンタクトの部分が多々あり、加工精度もさることながら、ウエスの入った油箱や漏斗状の注油機構がそれぞれ工夫されて設置してあり、運転中、機関士の保全作業は大変だったろうなと思えた。
   
 全国的組織なため、見学会をお願いした時のスタッフは高知、愛媛、新潟と遠方から。窓口が福岡ということにまず驚いたが、ご近所の見学集団のために駆けつけていただいた使命感には頭が下がります。
 ストックヤードにはまだまだ未整備の宝の山。農村の身近な近代化に貢献してきた発動機は戦争による金属供出などをくぐり抜けてきた歴史の証人。デモンストレーションとして1台を動かしてもらった。シンプルな目に見えるメカニズムで力強く動く姿は感動ものだった。
始動のための大変な儀式があるのに、動き出した後の貢献度は従来の馬・牛から見ればすごい転換期だったのだろう。大排気量水平単気筒でお椀のようなマフラーから出てくる独特の排気音はノスタルジックで個性的。動態保存というのがすごい。
 こんな活動をしている全国ネットワークがあるんだとその情熱と奥の深さにあこがれを抱く体験だった。ツナギ姿が羨ましい!